
<実行委員/審査員より一言>
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| 早稲田大学理工学部情報学科 助教授
上田 和紀
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今回は、並列部門を中心に審査を担当いたしました。書類審査の一方で、AITEC
の方々とともに並列機による動作試験を繰り返し行なったのですが、これが予想
外に難航し、関係者および応募者の方々をやきもきさせたことと思います。
多くのプログラムは、見通し良く書かれ、並列機でも正しく動作し、KL1言語が
基本的に並列プログラミングに適していることを再認識することができました。
その一方、プログラムのチューニングによって良い並列性能をあげるための方法
論や技術の確立と、並列プログラミング環境の整備の必要性を痛感する機会とも
なりました。これからも、並列記号処理技術の研究開発に対して暖かいご支援を
いただきたいと思います。
| 筑波大学電子・情報工学系 助教授
田中 二郎
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今回は「自由課題部門」を中心としてコンテストにコミットした。特に自由課
題には、多彩な応募作品があり、その一つ一つを審査員として楽しむことがで
きた。ビジュアルな効果を持つ応募作品が多く、klicプログラミングについて、
新しい世代の台頭を実感した。今後klicが、ビジュアルな世界、インターネッ
トの世界と、良かれ悪しかれ、深く関わっていくであろうことを感じた。
| 東京大学 工学系研究科電子工学専攻 教授 近山 隆
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今回は逐次部門を中心に審査を担当させていただきました。数多くの応募があっ
たことは, KLIC システムの開発・保守にあたってきたものとしてうれしく思
いました。逐次部門は多くの作品にさまざまな工夫がみられ, ちょっと心配し
ていた『参加賞狙い』は少なかったようです。自由課題部門にはバラエティに
富んだ力作が揃い, 審査していて楽しかったです。自由課題部門では並行処理
記述言語としての KLIC を生かした応募作品がかなりあったのに対し, これも
KLIC が得意とするはずの物理的な並列処理による効率向上を狙っていただく
つもりの並列部門が, 全体のレベルとしていまひとつだったように思います。
原因としては, 実際に並列動作する処理系がまだあまり普及していないことが
大きいでしょう。今後, どんなシステムでももっと簡単にインストールして試
してみられる並列処理系を用意していきたいと思っています。
| 日本電信電話(株)基礎研究所 情報科学研究部 主任研究員
平田 圭二
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今回は主に逐次部門の審査を担当させて頂きました. 僕自身も KLIC でコー
ドを書きますので, KLIC の場合こう書くと速くて美しいのだというメンタル
モデルを持っていた訳ですが, 人の書いたコードを読むというのは (どんなプ
ログラミング言語でもそうだと思いますが) 本当に良い勉強になります. 応
募者の皆様のプログラムからいろいろ学ぶことも多かったです. この経験を
活かして, 次回は応募者の一人として何とか賞に挑戦してみたいと思います.
それと, 来年は企業から参加される方がもっと増えるといいなと思いました.
| (財)日本情報処理開発協会 先端情報技術研究所 主任研究員
相場 亮
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今回は、主催者サイドから、コンテスト全体の様子を見させていただきました。
KL1は昔私がICOTにいた頃は良く使いましたが、最近はあまり自分では書く機会
がありません。でも、大勢の応募者の皆さんがKL1プログラムを書かれている様
子を拝見して、次回は実行委員としてではなく、一参加者としてコンテストを
楽しむことができればと思います。
いずれにせよ、次回のコンテストでは、このコンテストを機会に、一人でも
多くの方にKL1プログラミングの、そして並列プログラミングの楽しさを味わっ
て頂ければと思います。