<実行委員からの言葉>

東京大学 工学系研究科電子工学専攻 教授
近山 隆

今回は逐次部門を中心に審査を担当させていただきました。数多くの応募があっ
たことは, KLIC システムの開発・保守にあたってきたものとしてうれしく思
いました。逐次部門は多くの作品にさまざまな工夫がみられ, ちょっと心配し
ていた『参加賞狙い』は少なかったようです。自由課題部門にはバラエティに
富んだ力作が揃い, 審査していて楽しかったです。自由課題部門では並行処理
記述言語としての KLIC を生かした応募作品がかなりあったのに対し, これも
KLIC が得意とするはずの物理的な並列処理による効率向上を狙っていただく
つもりの並列部門が, 全体のレベルとしていまひとつだったように思います。
原因としては, 実際に並列動作する処理系がまだあまり普及していないことが
大きいでしょう。今後, どんなシステムでももっと簡単にインストールして試
してみられる並列処理系を用意していきたいと思っています。