Q4. AITECの調査の目的は何ですか?
日本の情報技術の開発力は、米国などの情報先進国と比べるとかなり遅れをとっているのが現状です。
インターネットをはじめとする情報技術は、世界を一つの市場とする「ボーダレス化」と消費者と生産者を直接結び付ける「流通の革新」をもたらしました。
米国などでは、多くの産業が新しい情報技術を駆使して企業の構造やビジネスのやり方を変革し、ユーザ要求に合った商品やサービスを、より迅速かつ安価に提供しています。また、情報産業の拡大が多くの新産業を生み出し、高収益をもたらす新しい雇用も創出しています。
このような「第2の産業革命(情報化革命)」とも言うべき一大変革に対し、日本はまだ、十分な対応ができていません。失業等による求職者のための新産業の育成にもようやく、国を挙げて取り組み始めたばかりです。
そこでAITECでは、米国がどのようにして、多くの新しい情報技術を生み出し、産業の変革や新産業の創造を成功させたかを調査分析しました。
また、その調査結果と日本の情報技術開発や新産業の創造に対する国の支援の仕組みや制度を比較検討することによって、「時代遅れとなった日本の仕組みや制度をどのように変革すべきか」を提言することにしました。
この提言を通して、日本の産業の競争力強化や新産業創造の促進を目指しています。
また、世界が一つの市場になれば、世界で5本の指に入るくらいの市場規模を獲得しなければ企業の生存が危うくなるという、過酷な競争社会の到来に対して、「国が果たすべき技術開発における役割」や「先行投資すべき重点分野」などの調査も行っています。